モジュラーアーキテクチャに基づくTreoプラットフォームがインテリジェントパワーマネジメント、センサインタフェース、通信ソリューションの開発を加速
ハイライト
- Treoプラットフォームは、65nmノード上にBCDプロセス技術で構築され、業界で最も広い1~90Vの電圧範囲と最高175℃の動作温度をサポート
- このプラットフォームにより、自動車、医療、産業、AIデータセンタ市場向けソリューションの設計プロセスの簡素化、システムコストの削減、市場投入までの時間短縮が可能に
- 電圧トランスレータ、超低消費電力AFE、LDO、超音波センサ、マルチフェーズコントローラ、シングルペア・イーサネットコントローラなど、Treoプラットフォーム上に構築された複数の製品ファミリが、すでにサンプル出荷中
- このプラットフォームで構築される製品は、オンセミの米国ニューヨーク州イーストフィッシュキルにある世界クラスの300mmファブで製造
2024年11月12日(米国2024年11月11日発表)- オンセミ(onsemi、本社 米国アリゾナ州スコッツデール、Nasdaq: ON)は、先進の65nmノード上にバイポーラCMOS-DMOS(BCD)プロセス技術で構築した、アナログおよびミックスドシグナル・プラットフォームのTreoプラットフォームを発表しました。このプラットフォームは、高性能・低消費電力センシング、高効率パワーマネジメント、専用通信デバイスなど、オンセミの幅広いパワーおよびセンシングソリューションの基盤を提供します。この単一のスケーラブルなソリューションを使用することで、既存のアプリケーション向け製品開発の簡素化および迅速化が可能になり、新たな市場機会に迅速に対応できます。
今日の自動車、産業、AIデータセンタ市場における電力需要の増加は、環境規制の厳格化の中で、エネルギー効率向上の必要性を一層高めています。同時に、これらの業界ではエンドアプリケーションにおいてより高い性能と機能が期待されています。また、医療用ウェアラブルなどの低消費電力機器は、一段と洗練されつつあり、パーソナルケアの向上と機器コスト削減のために、より高いインテリジェンスと効率が求められます。このため、より高いインテリジェンスを提供すると同時に、パワースペクトル全体にわたって高いエネルギー効率を実現できる、高度に統合された先進のパワーおよびセンシングソリューションに対するニーズが生まれています。
Treoプラットフォームは、先進ノードに対して業界で最も広い電圧範囲をサポートしながら、優れた性能と機能を提供するニーズの高まりに対応する、独自の位置づけにあります。Treoプラットフォーム上で構築された製品は、精度、性能、効率を大幅に向上させることで、機能、安全性、全体的な生活の質の向上をもたらします。例えば次のような事例が挙げられます。
- 自動車分野では、高性能の超音波センサによって精度を2倍向上させることができます。このことはパークアシストアプリケーションで、従来よりもはるかに車両に近い物体を検出できることを意味します。パークアシストシステムは、より近い距離にある物体を検出できるため、優れた衝突回避を実現し、運転者が駐車時に障害物を効果的に回避するのを支援して、全体的な安全性を向上させることができます。
- ヘルスケア分野では、持続血糖測定(CGM)装置用の超低消費電力アナログフロントエンド(AFE)が、ナノアンペア(nA)レベルまでの非常に小さな電流をより正確に測定できます。この精度は、グルコースセンサから発生する微小信号を検出し、正確なグルコース測定値を取得するために、きわめて重要です。複数の機能を1つの小型チップに統合することで、このプラットフォームは必要なフットプリントを半分に削減し、バッテリ寿命を数週間に延長することができます。すなわち、CGM装置全体の小型化、より快適な装着と交換回数の削減によって、医療費を節約することができます。
- データセンタ分野では、よりコンパクトなオンセミのスマートパワーステージを可能にし、GPUやCPUへの電力供給の効率向上に貢献します。これにより、冷却要件が緩和され、エネルギーが大幅に節約されるため、運用コストの削減と、より小形で持続可能な環境フットプリントを実現します。
Treoプラットフォームは、コンピュート、パワーマネジメント、センシング、通信の各サブシステムを構成し、絶えず進化を続ける堅牢なIPビルディングブロック群を備えた、モジュール式のSoCのようなアーキテクチャを特徴としています。Treoプラットフォームは、65nmプロセスノード上に構築され、高度なデジタル処理能力と優れたアナログIP性能を提供します。これらの機能により、柔軟なコンフィギュレーションを可能にするローカルインテリジェンスとコンピュートを提供し、同時にエンドアプリケーションの性能と精度を大幅に向上させることができます。さらに、このプラットフォームは、業界で最も広い1~90Vの電圧範囲と最高175℃の動作温度をサポートしており、低電力から高電力まで幅広い機能を統合することができます。これにより、オンセミは特定ソリューションに対して最適化され、カスタマイズされた製品ポートフォリオを提供できるため、お客様は従来よりも迅速に製品を市場投入できるようになります。
Treoプラットフォーム上で構築された電圧トランスレータ、超低消費電力AFE、LDO、超音波センサ、マルチフェーズコントローラ、シングルペア・イーサネットコントローラなどの初期製品ファミリは、現在サンプル出荷中です。オンセミは2025年の1年間を通して、高性能センサ、DC-DCコンバータ、車載用LEDドライバ、回路保護IC、コネクティビティなど、システムレベルの価値をさらに高めた幅広い製品ファミリを提供していきます。
投資家向けウェビナー: オンセミは、2024年11月18日(月)の午後1時30分(米国東部時間)に、Treoプラットフォームについて説明する金融業界向けのウェビナーを開催します。このウェビナーのウェブキャストは当社ウェブサイトの投資家情報ページ (https://investor.onsemi.com/)で提供されます。再放送はライブ放送終了の約1時間後から30日間、掲載されます。
関連情報
Treo技術プラットフォーム
ホワイトペーパー
TND6465 Delivering Best-in-class Precision Analog with the Treo Platform