October 10, 2024

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インテリジェントな自律走行車は、安全に移動するためのタイムリーな判断を下すために、周囲の状況を検知できなければなりません。駐車場や死角の検知など、近距離アプリケーションには、簡潔さと堅牢性から超音波が適しています。最近では、その多用途性により、新たな使用例が数多く生まれています。このブログでは、超音波センサがどのように進化してきたかを簡単にご紹介し、現在と将来のアプリケーションについて考察のうえ、今後数年間で超音波センサがどのような場面で使用されるかを示します。


車載用超音波センサの歴史

物体を検知し、固体材料の欠陥を見つけるというニーズに応える超音波技術は、1930 年代の最初の特許にまで遡ることができます。主な用途は常に侵入者警報などの検知でした。

車両に電子部品が多用されるようになると、自動車メーカーは操縦中に生じる損傷問題を解決しようとしました。バンパーに超音波センサを組み込み、インキャビンブザーと連動させて運転者に危険を警告するのが、初期世代のソリューションでした。その後、ブザーに加えて、障害物の位置を示す画面も表示されるようになりました。

超音波トランスデューサは、主に信号対雑音比 (SNR)を改善し、検知距離を延ばすといった性能向上のために進化してきました。性能が向上したことにより、死角エリア内の他の車両を検知したり、道路状況を検知し路面が濡れている場合はブレーキを調整したりするなど、センシング技術はより高い安全性が求められる自動車アプリケーションに適したものになりました。

最近では、超音波センサは車室内にも使われるようになりました。これらのシステムは、予想される法規制に対応して、乗員を検知してシートベルトに関する警告を出したり、乗員の体格や体重に応じて確実にエアバッグを展開させたりするのに使用されます。また、運転者の呼吸や心拍を検知して、運転時の注意力を監視するのにも使用できます。

最近の複雑なダッシュボードを考えると、ジェスチャコントロールがさらに普及すると思われます。ジェスチャコントロールでは、超音波センサが運転者の手の動きを追跡し、これを入力として使用して、スイッチを押したりノブを回したりするのと同じように車両を操作します。


オンセミの超音波ソリューション

オンセミは、2007年以来、パーキングアシストおよび自動運転アプリケーション用のカスタム超音波センサセンサインタフェースを大手自動車OEMに供給するマーケットリーダーです。オンセミNCV75215超音波センサは、圧電型超音波トランスデューサといくつかの追加回路を組み合わせることにより、タイムオブフライト(ToF)ベースの距離測定を可能にします。このシステムは、駐車中や短距離での低速操縦中に障害物を識別するのに好都合です。この非常に感度の高い装置は、回路とトランスデューサが許容すれば0.25mから4.5mの範囲で標準75mmのポールを検知できます。

 

複数のセンサによるパーキングアシストの使用例
図1:複数のセンサによるパーキングアシストの使用例


パーキング(またはその他類似の)アプリケーションでチップの全性能を評価したい設計者は、オンセミNCV75215R1GEVK超音波パーキングアシストキットをお求めください。この評価キット(EVK)は、先進のグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)に基づいており、操作が簡単でプロトタイプの完全な評価と詳細なデバッグが可能です。EVKには、貴重なユーザーデータや構成設定を保持するためのEEPROMが搭載されています。このチップはフルアクセスが可能で、GUIを介して受信(Rx)ゲインや送信(Tx)電流などの主要パラメータを調整できます。


将来のトレンドと技術革新

超音波技術が進歩し、消費者の期待が高まるにつれて(特に自動車分野で)、革新的なアプリケーションが生み出されています。多くの人がこの分野において、変化の速度が加速すると予想しています。

一例として、微小電気機械システム(MEMS)マイクを超音波センサの横に配置する4Dセンシングが挙げられます。MEMSマイクは超音波信号を拾うことができ、接近する車両の騒音など他の音も検知します。重要な使用例の一つは、緊急車両のサイレンを判別して、適切なアクションをとるよう警告することです。

課題の一つは、超音波センサや同様に前方カメラの性能低下につながる埃や湿気の蓄積です。最近の技術革新では、センサアセンブリに圧電デバイスを組み込んで、センサを高い周波数で振動させることが可能になりました。これにより、雨滴、汚れ、氷の付着が除去され、安全上重要なセンサが正しく動作することが実証されています。

環境への懸念から業界は電気推進に向かっており、それにはトラクションバッテリの充電状態と健全性を把握することが不可欠です。最も一般的には、電圧と電流を測定してこれを行いますが、この方法には限界があります。バッテリ内部に実装された超音波トランスデューサが、バッテリの充電状態(SoC: state of charge)と健全性状態(SoH: state of health)をきわめて正確に示すことが確認されています。


結論

オンセミは、数十年にわたり自動車市場向け超音波技術のリーダーであり、評価キットなどの設計ツールと併せてさまざまなソリューションを提供しています。超音波による距離測定は古くから行われていますが、車両が周囲の物体の検知にますます依存するようになるのに伴い、この測定が復活を遂げています。最近では、安全性をさらに高めるために、車載アプリケーションや、自律走行ロボット、自動ガイド車両などの産業用途にも拡大しています。自動車分野における急速な技術革新と、より高度なADASや自動運転に向けた継続的な推進により、超音波技術はより高い性能を提供し、より多くの産業用途での使用例を拡大することが期待されています。次の設計に超音波センサの導入を検討する際には、ぜひオンセミご相談ください


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